多様性理解勉強会

DNPコミュニケーションデザインでは、人の多様性を理解し、コミュニケーションを基点としたユニバーサルデザインのあり方を研究しています。各界の多様な方々を講師としてお招きし、「多様性理解勉強会」を定期的に開催。ご講演・ディスカッションなどを通じて、さまざまな知見や気づきを深め合い、ユニバーサル社会の実現に向けて継続的に取り組んでいます。

第1回

講師

高橋純也様(全盲の視覚障害当事者)

プロフィール:小学3年生の時に、進行性の眼病「網膜色素変性症」と診断される。
2000年に企業に入社、2006年頃にはほぼ全盲となる。その後、視覚障害者向けのパソコン教室に通い、音声読み上げソフトでのパソコン操作技術を習得。
2007年からゴスペル、ブラインドサッカーを始め、勤務先のユニバーサルデザイン出前授業に参加。そうした中で、ユニバーサルデザインの考え方に共感し、ユニバーサルデザインコーディネーター資格を取得。現在は、そのスキルを活用して、障害による制限を感じることのない環境作りを目指し活動している。

高橋様(前列右から2人目)とDNPのメンバー

テーマ

「できない」という思い込みについて

講義内容

  1. 選択肢を持つということ
  2. 視覚障がい者が健常者をサポートする
  3. 自分で行うことの利点
  4. 見る・読む方法
  5. 「できない」ということへの思い込み
  6. 誤使用によるリスク

受講者感想

我々(健常者)の勝手な思い込みで、目の不自由な方(障がい者)だからと言って「あれができない、これができない」などを決めつけてはいけないと思いました。
また、高橋さんと高橋さんの周りの方(特に奥さま)との関係・繋がりが素晴らしいなと感じました。
たくさんの気づきを得ることができたと思います。それらを活かして、みんなの良い関係溢れる社会を作っていけるように頑張りたいと思います。

第2回

講師

山口智子様(聴覚障がい当事者)
NPO法人 実利用者研究機構 岡村正昭様

プロフィール:5歳で中途失聴。補聴器と口話法を使って健聴者と同じ学校で学ぶ。大学で初めて聴覚障がいを持つ人々と手話に出会い、自身の障がいと生き方について向き合い始める。メーカーでインターフェースデザインに従事する中で、もっと人の役に立ちたいとユニバーサルデザインコーディネーターの資格を取得。現在は、作り手と利用者、健聴者と聴覚障がい者の両方の視点を持ちながら、フリーで活動中。

山口様(右)と実利用者研究機構 岡村様(左)

テーマ

聴覚障がい当事者に聞く!印刷物の配慮について

講義内容

第1部:実利用者研究機構 岡村正昭様

  1. 一般的な聴覚障がいの方に山口さんがヒアリングした内容
  2. 山口さんの提供者の視点から、印刷物に配慮してほしいこと
  3. 聴講者(DNPの皆さま)の気付きや考えるヒントにつながるための日常生活での事例

第2部:山口智子様

  1. 聴覚障がいの子をもつ母親にヒアリングした印刷物の困りごとについて
  2. 印刷物で配慮してほしいこと
  3. 日常生活における聴覚障がい者当事者ならではの困りごとについて

受講者感想

日常だけでなく、緊急時の誘導方法や、そもそも案内するための印刷物がどこにあるかを案内すること、気づかせる方法が必要だと感じました。情報を伝達するだけでなく、情報にアクセスさせる方法、情報アクセスのしやすさについて、これからも考えるべきだと深く感じました。

第3回

講師

東京大学 先端科学技術研究センター 准教授
熊谷晋一郎先生

プロフィール:小児科医。新生児仮死の後遺症で脳性まひに、以後車いす生活となる。
東京大学医学部卒業後、病院勤務などを経て、現在は東京大学先端科学技術研究センター准教授。小児科という「発達」を扱う現場で思考しつつ、さまざまな当事者と共同研究を行う。

熊谷先生

熊谷先生とDNPのメンバー

テーマ

「当事者研究」について

[当事者研究]とは
障害や病気を持った本人が、仲間の力を借りながら、症状や日常生活上の苦労など、自らの困りごとについて研究するユニークな実践です。
当事者研究は統合失調症を持つ人々の間で行われ始め、徐々に、依存症や脳性まひ、発達障害など、さまざまな困りごとを持つ人々の間に広まりました。
熊谷先生は、当事者研究が持つ仮説生成と検証、グループ運営技法、回復効果という、3つの側面に注目し研究されています。

講義内容

  1. 医学モデルと社会モデル〜障害とは?障害はどこに宿るのか?
    可変性に対する合理的配慮について
  2. 社会と障害の共変化
  3. 自閉症向けの社会のデザイン
  4. コミュニケーションデザインの変化の方法論について
  5. 当事者にとって当事者研究に参加することが治療になる

受講者感想

これまでの自閉症の研究は、当事者ではなく、その周りの人を対象とした研究が多かったということです。
当事者の周りの人目線の意見を参考にしていることから、社会とのズレが大きくなっていることを学びました。
また、自閉症の症状も新たに知ることが多かったです。例えば、健常者よりも、カテゴリーを細分化する傾向にあること、そしてそれは、当事者を、追い詰める要素も持ち合わせていることを知ったときには、深く考えさせられました。「コミュニケーションは人と人との間に生じる」。これまで、個人の人柄だけでコミュニケーションを円滑にできると考えがちでしたが、この言葉を聞いて、はっとしたと同時に、納得できました。コミュニケーションは一人では行えないのです。

第4回

講師

NPO法人 カラーユニバーサルデザイン機構
伊賀星史様

プロフィール:CUDコンサルタント。
フォトグラファーを経て教科書制作に従事。
その後、NPO法人カラーユニバーサルデザイン機構でC型(一般色覚者)の検証担当者となる。生まれつき一側性難聴であり、見た目ではわからない障害のグレー ゾーンにあるところから、色弱者との共通点を感じ、日々視覚情報のUD化を推進して いる。

伊賀様(前列左から2人目)とDNPのメンバー

テーマ

「色弱」について

講義内容

  1. 色彩の持つ効果
  2. 色弱者とは
  3. 色覚のメカニズム
  4. 見分けにくい配色のデザイン事例
  5. デザインのカラーユニバーサルデザイン化
  6. カラーユニバーサルデザイン機構の活動報告

受講者感想

世界の中でも、日本は、カラーユニバーサルデザインに関する取り組みが先進的であるということ、体系化されているということを初めて知りました。また、バリアントールや色弱シミュレーションソフトは知っていましたが、スマホのシミュレーションアプリ「色のシミュレータ」は知らなかったので、さっそくダウンロードしてみたいと思いました。

第5回

講師

京都福祉情報ネットワーク 代表
NPO法人 視覚障害者パソコン・アシスト・ネットワーク(SPAN) 理事
視覚障害リハビリテーション協会 理事
園順一様

プロフィール:1946年 滋賀県生まれ。
日本電池株式会社、ソード株式会社、株式会社ヒューコムなどを経て
1995年株式会社ディーエスピーリサーチを設立。現在は非常勤。
50歳頃から目が不自由になり始め、視覚障害に関わる活動を始める。
ユニバーサル社会の実現に向けて、現在も精力的に各種活動をされている。

園様

園様(中央)とDNPのメンバー

テーマ

「ロービジョン」を考える

講義内容

  1. 視覚障害について
  2. 社会資源の活用
  3. 視野について考える
  4. 障害を助ける最新機器

受講者感想

視覚障害の方の中には、障害者手帳が配布されない方もいて、より我々や社会が協力的になり、理解する必要があると感じました。
また、視覚といわれると、「視力」だけにとらわれがちですが、「視野」の範囲も、視覚に大きな影響を与えることを、学ぶことができました。

第6回

講師

株式会社 ミライロ/一般社団法人 日本ユニバーサルマナー協会
堀川歩様

プロフィール:1990年、大阪府出身。心は男・身体は女として生を授かる。
幼少の頃から男の子が好むような服装や遊びを好んで育つ。高校卒業後は陸上自衛隊に入隊。任期満了後は自分の目で世界の現状を確かめる為に世界一周の旅に出発。帰国後、LGBTの人々の総合サポート事業を立ち上げる。
現在は株式会社ミライロの人事部長兼講師として、性的マイノリティの視点を活かした「バリアバリュー」な社会を実現するため、企業の人事や福利厚生制度のコンサルティングや企業、学校、行政に対しての研修や講演を年間100本以上行っている。

堀川様

堀川様(前列中央)とDNPのメンバー

テーマ

「LGBT×UD」について

講義内容

  1. LGBTに関する基礎知識
  2. 職場における対応マナー
  3. LGBTをUDの視点から考える

受講者感想

LGBTは一見わかりにくい面もありますが、一人一人を理解するという意味で、まさに、「多様性理解」の本質をついているかもしれないと思いました。
企業の人事や福利厚生制度について、今後はもっとLGBTも意識した制度づくりをすることが、働きやすさにつながるのでは、と思いました。

第7回

講師

株式会社 アトリエロングハウス
チェアウォーカーファッションブランド ピロレーシング代表
長屋宏和様

プロフィール:14歳からレースを始める。
2002年10月13日鈴鹿サーキットでのF1世界選手権前座レースで大クラッシュし、頚椎損傷四肢麻痺のチェアウォーカー(車椅子ユーザー)となる。
入院生活の後、 2004年12月5日に絶対無理と言われていたレーシングカートでレースに復帰。
指の使えないドライバーがカートレースに出場し、世界初の快挙をなしとげる。
2005年6月「障害者だって、いつも自分の好きな洋服を着たい」という思いからチェアウォーカーファッションブランド「ピロレーシング」を設立。
ユニバーサル社会の実現に向けて、現在も精力的に各種活動をされている。

長屋様

長屋様(前列中央)とDNPのメンバー

テーマ

「チェアウォーカー」について

講義内容

  1. 事故当時の思い
  2. 講演活動、ファッションブランド設立の背景
  3. オリンピック・パラリンピックにむけて
  4. 車いすでの生活
  5. 夢、目標について

受講者感想

「当事者意識」というものが何事においても大切だと再認識できました。
生活していて自分が、なにかに気づき、それを外に発信することが社会貢献につながる可能性があると思いました。自分の気づきを大切にしたいです。
「夢は届かないものでもいい、目標をコツコツ達成していくことが大切」という言葉がとても印象的でした。 

第8回

2017年2月1日(水)~3日(金) 東京ビッグサイト・東6ホールにて、 「インバウンドビジネス総合展2017」が行われ、DNPも出展しました。 その中で、多様性理解勉強会のスピンオフ企画として、<外国人>をテーマに、実際に外国人を招いて、パネルディスカッションを行いました。

セミナーの様子

DNPのメンバーとパネラー3名(左からエジプト、ロシア、タイの方)

テーマ

当事者(外国人)から見た日本に存在するボーダー

パネラー3名に、日本社会に対する想いや、2020年に開催される東京オリンピック・パラリンピックを通じて、今後の日本に期待することなどを自由に話していただきました。
3名とも、日常生活においては、ほぼ問題なく過ごせているものの、言語含め、日本人の外国人に対する配慮・理解が及んでいないと感じることが多々あるようです。
2020年を控え、ますます多くの外国人が日本を訪れる中、今一度日本社会のあり方、一人ひとりの外国人・文化に関する理解について、考えさせられる貴重な機会となりました。

第9回

講師

NPO法人 エッジ 会長
藤堂栄子様

プロフィール:1953年、横浜生まれ。フランス、イタリア、ベルギーでの生活を経て帰国後、慶応義塾大学法学部政治学科卒業、その後星槎大学大学院修士課程修了教育学修士。2001年10月に、ディスレクシアの正しい認識の普及と支援を目的として、NPO法人 EDGE(エッジ)を設立。ディスレクシアに関する調査研究、コミュニケーションサポート、普及啓蒙、人材育成事業を日々推進している。

藤堂様

藤堂様(前列左から4人目)とDNPのメンバー

テーマ

ディスレクシア

「ディスレクシア」とは

発達障害の中で、LD [(learning difference, difficulties) 学習障害 - 読んだり、書いたり、計算したりするのが難しい]の中心的な症状です。

講義内容

  1. ディスレクシアについて~藤堂様の経験を交えながら~
  2. ディスレクシアと社会
  3. ディスレクシアと就労

受講者感想

周りの人からの指摘で、自分がディスレクシアだと気づくことがあるケースも多いと知ったときは、正直驚きました。障害を自分の「個性」として受け入れ、自分のやりたいことを実現させるための、環境づくりが大事だという言葉が印象的でした。また、企業側も、少しの理解でさまざまな人を受け入れることが可能になると感じた。見た目や雰囲気で判断せずに、まずは、その人自身を「知ること」、「対話すること」が大事だと思いました。

第10回

講師2名 対談形式

東京大学 先端科学技術研究センター 人間支援工学分野 特任研究員 博士(医学)
株式会社 Studio Gift Hands 代表取締役
三宅琢様

プロフィール:1979年、愛知県生まれ。2005年に東京医科大学、2012年に同大学眼科大学院卒業。2014年より東京大学先端科学技術研究センターに所属し、同年7月より、株式会社ファーストリテイリングの本部産業医として勤務する。
また、2012年よりGift Handsの代表となり、2014年より株式会社 Studio Gift Hands を設立。
視覚障害者ケア情報サイトを運営し、便利グッズの開発やアプリ紹介を行うほかにも、全国のApple Storeや盲学校、視覚障害者支援施設や医薬専門学校等でipadやiphoneを用いたロービジョンケアに関するセミナーや講演等を行っている。

株式会社ユニバーサルスタイル 代表取締役
NPO法人 日本視覚障害者柔道連盟 理事
初瀬勇輔様

プロフィール:1980年、長崎県生まれ。中央大学法学部入学後、弁護士を目指し勉学に励む。在学中に緑内障により視覚障害をもつ。失意の底にあったものの、高校時代に打ち込んだ柔道を再開することで障害に対する想いが変わり始める。
障害者の雇用や社会進出により貢献するため、2011年に株式会社ユニバーサルスタイルを設立。
並行して、視覚障害者柔道の選手として活動を続けながら、講演やセミナーを精力的に行っている。
2008年 北京パラリンピック90㎏級出場。2020年の東京パラリンピックへの出場を目指す。

ゲスト

第1回講師
高橋純也様(全盲の視覚障害当事者)

第2回講師
山口智子様(聴覚障害当事者)

三宅様(右)と初瀬様(左)

三宅様、初瀬様、高橋様、山口様(前列中央)とDNPのメンバー

テーマ

現在の日本における雇用、合理的配慮について

産業医の三宅様と視覚障害の当事者である初瀬様の双方の立場からの意見を語っていただきました。

講義内容

  1. 合理的配慮とセルフアドボカシー
  2. デジタルビジョンケアと神戸アイセンター
  3. バリアバリューとスポーツキャリア

受講者感想

日本は、ハードの面から、物事を考えがちであるという意見に、共感できました。障害者の雇用問題は、企業が、当事者本人のことを考えていないから失敗する、という意見は的確。「当事者目線」という考えが、多様性への理解に一番つながると思いました。また、初瀬さんが、オリンピックに出場した際、目が悪くなってよかったと思えた瞬間があった、というエピソードはとても印象的でした。

第11回

講師

一般社団法人 アプローズ 代表理事
光枝茉莉子様

プロフィール:東京都庁の福祉保健局に勤務(福祉施設等の監査部署で働く)、その後障害者施策の部署などへの異動を経た後、独立を考える。

東京都福祉保健局で8年間勤務し、日本の福祉を行政の視点で見てきた経験を生かし、特に障害者施策や福祉施設を担当していた経験をきっかけに、アプローズを設立。

「障害のある方が地域で暮らし、働き、自らの夢をかなえることを支援するため、法人自らも絶えず創造、挑戦し、ともに成長し続ける」ことを理念に掲げ、これまでにない新しい福祉の形を目指している。

障害のある方が実際に作った
フラワーアレンジメントを紹介する光枝様

光枝様(写真中央左側)とDNPのメンバー

テーマ

花を通じたウェルフェアトレードと
障害者雇用の可能性について

[ウェルフェアトレード]とは
「Welfare=社会福祉」と「Fair Trade=公正な取引」を掛け合わせた造語で、社会的弱者と呼ばれる人たちがつくる国内の製品やサービスを、適正な価格で購入・利用することによって、当事者の人たちが、働く喜びと生きがいを持ち、自立できることを支援する仕組みです。

対談内容

  1. アプローズ組織概要
    • ・施設紹介
    • ・活動内容
  2. 障害者雇用をめぐる現状と課題
    • ・事業所で働く障害者の工賃水準の低さ
  3. アプローズの目指していること
    • ・花を通じたウェアフルトレードの提唱
    • ・障害者の自立支援と工賃アップ
  4. 株式会社アンフィニテのご紹介
  5. アプローズとアンフィニテの支援の流れと目的

受講者感想

一番の驚きはB型事業者の平均賃金は時給換算187円で、月に14,838円しか支払われていないということでした。それ以外にも存在する、障害者と企業、お互いの雇用に対する課題に対して、一つの答えを出してくれるのがアプローズとアンフィニテのグループではないかと感じました。
障害者雇用の可能性について、「お花」を通じた素敵な角度からのアプローチについて、とても興味深く聴かせていただくことができました。

第12回

講師

公益財団法人 日本障害者リハビリテーション協会 参与
西澤達夫様

プロフィール:DAISY(Digital Accessible Information System)/EPUBフォーマットのデジタル教科書・教材自動製作システムの開発に長く携わる。
2017年6月より公益財団法人 日本障害者リハビリテーション協会に所属し、現在は障害者のリハビリテーションに関する情報収集・提供をしている。

西澤様

西澤様(写真2列目中央右)とDNPのメンバー

テーマ

マルチメディアデイジーによる「読み」の支援

[読みの困難]について
健常者と読みが困難な方には文字を読む際の視線の動かし方に違いがあり、健常者が4~5文字に注視し、スラスラと読み進められるのに対して、読みが困難な方は“まとまり”をとらえることができず、1~2文字を見るため内容の理解が困難で時間もかかってしまう。また、文字がにじんだり、揺らいだりして見えるとのこと。

対談内容

  1. 日本障害者リハビリテーション協会について
    • ・事業内容
  2. 特別な支援を必要とする子どもたち
    • ・発達障害とは
    • ・読みの困難さとは
  3. ICTによる支援
    • ・現状の支援と、ICTによる読み書き支援の比較
  4. デイジーについて
    • ・デイジーで期待される効果(デイジーポッドの体験)
    • ・デイジー教科書の普及状況
    • ・デイジーの種類と特徴

受講者感想

読みが困難な方に見えている、文章のイメージが印象的でした。“まとまり”をとらえることができなかったり、滲んだり揺らいだりして見えるとのことです。
教育に限らず、生活するうえで何かを得ようとするとき、私たちは「理解して→ニーズと照らし合わせ納得して→欲しいと思う」といった工程を踏むと思います。そのため、商品には「説明」が添えられ、私たちはそれを「読む」。
工程の土台となる「読む」を、誰もが負担なく行えるべきだと思いました。それを叶えるマルチメディアデイジーが、今後、より普及してくれれば、と、西澤様のお話を聞いて思いました。
情報発信に関わる側としても、拡大の一助となれるよう努めたいです。

第13回

講師

新宿区 箪笥町高齢者総合相談センター
所長 寺西秀美様

寺西様

勉強会中の様子

ロールプレイ中の様子①

ロールプレイ中の様子②
(認知症のおじいちゃん役に目線を合わせている様子)

やるぞポーズのDNPのメンバー

寺西様(最前列左から4番目)とDNPのメンバー

テーマ

認知症サポーター養成講座

重大で身近な社会課題「認知症」。
認知症サポーター養成講座は、認知症を正しく理解し、認知症の人や家族を
温かく見守ることを目的とします。

●認知症サポーターとは?

  • ・認知症サポーター数 全国 1000万人超(2018年9月30日現在)
  • ・「認知症サポーター養成講座」を受けた人が「認知症サポーター」です。
  • ・高齢者が尊厳を保ちながら暮らし続けることができる社会の実現を目指して
     <厚生労働省>と<全国の自治体>が推進しています。

講演内容

  1. 高齢者総合相談センターとは
    • ・地域包括支援センター/仕事の内容は
    • ・認知症サポーター養成講座の目的
  2. 認知症の基礎知識
    • ・認知症に対する偏見
    • ・認知症の具体的な事例
  3. 認知症という病気について
    • ・認知症の種類とそれぞれの症状について
  4. 認知症サポーター
    • ・認知症の人への対応の基本
    • ・ロールプレイ
  5. 認知症患者を持つご家族への理解
  6. 認知症サポーターの役割とは
    • ・「認知症を正しく理解し、偏見のない思いやりのある地域づくり」を目指す

受講者感想

認知症のことは、なんとなく理解しているつもりでいましたが、今回具体的な事例を教えていただきながら受講できたので、認知症に対して正しく理解することができました。
ロールプレイを通して、認知症サポーターとして認知症の方と接する際のコミュニケーションの取り方を、実際の状況に近い形で学ぶことができました。偏見なく行動するための知識を得られる良い機会でした。
少子高齢化社会になっていく中で、地域の多くの人に認知症サポーター養成講座の内容を広く知ってもらうことが、より良い地域にしていくために必要なことだと感じました。

第14回

講師

NPO法人 施無畏(せむい)
「Co-Co Life☆女子部」編集部 守山菜穂子様

・プロフィール:千葉県 出身 多摩美術大学 美術学部 グラフィックデザイン学科卒業(広告デザイン専攻)。読売広告社の営業職を経て、2000年に小学館に入社。ファッション誌や情報誌など主要雑誌の広告担当を歴任。
2013年(在職中)より、ボランティアで「Co-Co Life☆女子部」の編集に携わる。2014年小学館を退職し、独立起業。現在、株式会社ミント・ブランディング 代表取締役/ブランドコンサルタントとして企業ブランディングや、パーソナルブランディングに関するコンサルティング、研修講師、セミナー講師を務める。(詳細は naoko-moriyama.com
・現在まで、200名以上の障がい当事者と、その家族を撮影・取材。また300名以上の医療・福祉関係者、障がい者雇用関係者、企業、官公庁、福祉機器開発・販売社などを取材。
代表的な担当企画に、三菱地所、ヤマハ発動機とのタイアップ企画、NHK・千葉市 主催の障がい者ファッションショーのプロデュース、一般社団法人日本ショッピングセンター協会「ユニバーサルデザインセミナー」など。

クロストークの様子

守山様、 Co-Co Life☆女子部所属タレントのみなさん
(写真1列目)とDNPのメンバー

テーマ

障がい・難病の女性のためのフリーペーパー「Co-Co Life☆女子部」と
こころのユニバーサルデザイン

●[Co-Co Life☆女子部]とは
国内最大級の、障がい者や難病の女性のためのフリーペーパー&コミュニティ。当事者である障がい者が制作・運営行うことで、障がいを持つ読者に寄り添い共感を生み、ポジティブに行動を起こすためのきっかけやアイデアを生みます。
編集、プロデュース、営業、ウェブ、運営統括などは各分野のプロフェッショナルがボランティアで支援しており、クオリティとスピード感を担保。年4回発行のフリーペーパーでは障がい・難病女性ならではの視点による、オシャレ・恋愛・グルメ情報やコラムなどのコンテンツ発信を行っています。

講演内容

  1. はじめのワーク
    • ・勉強会参加の目的の整理、講座終了後の自分を見つめる
  2. 媒体概要ー「Co-Co Life☆女子部」とは
    • ・「障がい・難病女性のためのフリーペーパー」とは
    • ・企業コラボ、製品開発実績紹介
  3. 障がい者当事者に聞く!ユニバーサルデザインの実情
    • ・なぜユニバーサルデザインに取り組むべきなのか?
    • ・ Co-Co Life☆女子部所属タレントによるクロストーク
  4. 気づきのワーク
    • ・勉強会参加後から自分にできることとは

受講者感想

「こころのバリアフリー、ユニバーサルデザイン」という言葉が一番印象に残りました。設備などのハード面でのバリアフリーも、もちろん今後推進されるべきことですが、ハード任せにせず、誰かの抱える困りごとに共感し共に障壁を乗り越えていく社会を目指して、今日から私も行動していこうと思いました。
また、クロストークではたくさんの発見を得られ、大変参考になりました。
突然車いすの生活を余儀なくされたり、視界が常に限られていたとしたら、私なら不安になると思うのですが、登壇されたタレントのお二人が明るく、ときに様々な工夫をしながら日々過ごされていることがよくわかり、とても心を打たれました。東京五輪開催を機に、バリアフリー、ユニバーサルデザインが「特別扱い」ではなく「平等であるための当然の前提」として広く認識される日が早く訪れるといいなと思いました。

第15回

講師

同志社大学 政策学部 大学院 総合政策科学研究科
ソーシャルイノベーションコース 客員教授
株式会社ユーディット 会長兼シニアフェロー
関根千佳様

プロフィール:長崎県佐世保市出身 九州大学法学部法律学科卒。日本IBMにSEとして入社。ソフトウェアの開発を通じて、アクセシビリティ・ユーザビリティの重要性に目覚める。その後同社で、スペシャルニーズシステムセンターを開設、高齢者・障害者のIT利用技術について、年間数千件の相談に応じたり、新製品の企画・販売支援を行った。日本IBMから独立し、株式会社ユーディット(情報のユニバーサルデザイン研究所)を設立。デザインの初期段階から多様なユーザーを参加させるIT機器などの開発や、企業 や行政のアクセシブルなWeb構築のコンサルティングを始め、 高齢過疎化の進む地域社会の活性化や、誰もが自分らしく生きられる社会の在り方の提言をおこなっている。
同志社大学客員教授を務める他、内閣府(バリアフリー・ユニバーサルデザイン推進功労者表彰選考委員会)委員、京都府、佐賀県、福岡市、神戸市などのユニバーサルデザイン専門委員も歴任。放送大学「情報社会のユニバーサルデザイン」の講師や、著書に『ユニバーサルデザインのちから』(生産性出版)、『「誰でも社会」へ~デジタル時代のユニバーサルデザイン~』(岩波書店)などがあり、ユニバーサルデザインの重要性を世の中に広く啓発している。

講師の関根様(写真1列目中央)とDNPのメンバー

テーマ

情報のユニバーサルデザインが世界を変える
ーDesign for Each を実現するICT

講演内容

  1. Calm Technology-人々に寄り添うユニバーサルデザイン(UD)
    • ・日本は高齢化で世界のトップランナー
    • ・放送/通信/書籍…障がい者視点の気づきを製品に還元する
  2. ユニバーサルデザインを「配慮」から「前提」へ
    • ・リハビリテーション法508条がもたらすUDへの一歩
    • ・Born Digital = Born Accessible
    • ・障害者とテクノロジー会議(CSUN)にみるユニバーサルデザイン
  3. これからの日本に必要なICTのユニバーサルデザインとは
    • ・高齢化・オリンピックを契機としたUD概念の再構築
    • ・Design for All からDesign for Each へ
    • ・「顧客の大半は情報障がい者」という前提

受講者感想

「UDを配慮でなく前提に」という言葉がこころに残っています。近年、日本でもさまざまな多様性に「配慮」したデザインが浸透してきましたが、それらは配慮という付加価値のまま止まってしまっているのではないだろうか……話をうかがう中、そう考えさせられました。
関根さんは、2020よりさらに先、2025年2050年…と、高齢者も、外国人観光客も、さらに増え、日本の大半が情報障害者になる、と警鐘を鳴らされており、UDトークやヤマハのSound UDなど、あらゆる人にとって便利な技術の開発・認知の必要性を強く感じました。私たち一人ひとりが、今一度UDを捉え方から見つめ直し、UDを「前提」にした在り方を目指すべきだと思いました。

第16回

講師のみなさま(1列目)とDNPメンバー

講師と3名によるディスカッション

講師

コミュニケーションプランニング本部
コミュニケーションプランニング部
コミュニケーションプランニング課
小島 シティマイ 百那さん

プロフィール:
今回の講師はDNPコミュニケーションデザインの2年目社員!
法政大学国際文化学部で得た「異文化に対する視点」を生かし、多文化共生社会の実現を見据えながらコミュニケーションプランニング課で奮闘中です。「不思議で風変わりな日本独自の文化」をお題としてユニークなコンテンツを発信する訪日外国人向けメディアの制作を現在担当中です。
詳細はこちら FUNZiP

また、今回はディスカッションのために
 井上 ゆうき バイオレットさん
 小島 アダム 悠路さん
 安藤 美伶さん
の3名にもお越しいただきました。

テーマ

「ハーフ」という存在
多文化共生キーワードから多様化する日本社会を一緒に考える

【多文化共生社会とは】
自分と異なる他者の思想/文化を相互に理解する社会。
多様性社会を考えるうえで、異文化理解の観点を加えたもの。

講演内容

  1. 「多文化共生社会」とは?-多様性の中で必要な発想
  2. 日本社会で「ハーフ」として生まれるということ
    • ・「ハーフ」って呼んでもいいの?
        …「シニフィアン/シニフィエ」
    • ・気が付きにくい小さな偏見
        …「マイクロ・アグレッション」
    • ・求められるままに生きる?自分らしく生きる?
        …「アイデンティティ・クライシス」
    • ・「よそはよそ、うちはうち」で終わらせない
        …「多文化共生社会」
  3. パネルディスカッション

受講者感想

「どこのハーフ?英語できる?って、すぐに“ハーフ像”にはめこまれて“私自身”を知ってもらえないまま自己紹介が終わっちゃうんです。」
おちゃめに話していた経験談でしたが、とても切実な内容でした。
わたしたち人間はモノを理解しようとする際に「すでに知っている“型”」にあてはめ、カテゴライズするかと思います。そこでわかった気になって終えるのではなく、目の前のいる“個”、ひとりひとりを、それぞれ知ろうとする姿勢が多文化共生、ひいては多様性社会に必要不可欠だと感じました。

第17回

講師の三浦様と(後列左から5番目)とDNPメンバー

講師の三浦様

講師

株式会社プラスヴォイス 代表取締役社長
三浦宏之 様

プロフィール:
聴覚障がい者が直面する情報コミュニケーションバリアに着目し、1998年(平成10年)宮城県仙台市に有限会社プラスヴォイスを設立。以来、一貫してICTを活用した聴覚障がい者の情報通信バリアフリーに力を注ぐ。
茨城県東海村の臨界事故、新潟県中越地震などではICTを駆使した被災地の聴覚障がい者への情報提供支援活動を手がけ、
東日本大震災をきっかけとした日本財団電話リレーサービスの礎を築き、聴覚障がい者の通信インフラ普及に努める。
現在、厚生労働省、東京労働局、東京都、港区(東京)、荒川区、飯能市の行政機関や、航空会社ANA、三菱UFJ銀行等の大手企業に
遠隔手話通訳と音声文字変換システムを搭載したトータル支援システムや電話通訳サービスを提供。
長年の課題であった聴覚障がい者と職員との円滑なコミュニケーションを実現。聴覚障がい者の社会参加促進に寄与している。
また、プロカメラマンとして聴覚障がい者の就労支援にも力を入れ、聴覚障がい者の視覚的能力を活かしたカメラマンやクリエイターを育成し、
2020年東京オリンピック・パラリンピックでの聴覚障がい者の活躍の場を創造している。

テーマ

情報通信とノーマライゼーション

講演内容

ICT技術を活用した、聴覚障がい者のコミュニケーション・バリアフリー

  • ●聴覚障がい者の困りごと(聞こえない・話せない・電話ができない)
  • ●電話リレーサービス
  • ●UDトーク・UD手書き
  • ●スマートグラス(眼鏡型端末)による音声翻訳の見える化
  • ●プラスヴォイス社提供の「トータル支援システム」
  • ●自治体・企業へのサービス導入事例

*本講演は、<聴覚障がい当事者>にもご参加いただきました。
 情報保障としてUDトークを活用、講演者の発話を即時にモニター表示、
 結果、<健聴者を含め多くの人にとってわかりやすい>講演となりました。

受講者感想

今回はじめて「電話リレーサービス」の存在を知りました。聴覚障がい者にとって「電話をする」ということは、かなりハードルがあることは予想がつきますが、「できない・向いていない」からといって、その不平等を見過ごしていたことを痛感しました。
また、聴覚障がいの方は、「会社で会議に参加しなくてもよいと言われる場合がある」、というお話に衝撃を受けました。「聴覚障がい者だから会議に呼ばず後で共有する」という方法は、周囲なりの「配慮」かもしれませんが、当事者の意思を尊重せず、無用な「差別」を助長しているように感じました。障壁や差別のない社会のために、今日ご紹介いただいたツールが、もっと浸透していけばいいなと思いました。

第18回

講師の平本様(画像中央)とDNPメンバー

多様な体験を語る平本様

講師

築地朝塾塾長 / 前BS-TBS会長
平本和生 様

プロフィール:
1969年早稲田大学政治経済学部卒業、東京放送に入社。テレビ本部報道局テレビニュース部、政治部を経て、84年に外信部ワシントン特派員。88年10月~90年3月まで「JNNニュースコープ」のメインキャスターを務める。その後、政治部長、報道局長、TBSビジョン社長、TBS常務・専務を歴任。2009年から14年6月までTBSホールディングス取締役兼BS-TBS社長を務めた。2015年より「日本を支える若い人を育てる」という理念の下、塾長として「築地朝塾」を立ち上げる。各界で道を究めた著名人による講演の場を設け、多様な分野と聴講者の出会い・交流の創出に尽力している。詳しくはこちら→築地朝塾

テーマ

サラリーマン半世紀~転がる石に苔は生えない~

講演内容

  • ●人の縁を大切にする
    • - 「邂逅」という言葉
    • - 自身のメンターの存在を通してすべてのご縁を振り返る
    • - 今生で生まれた恩をどう返すか
  • ●ジャーナリスト人生における出会い
    • - 田中角栄番の経験から得た信頼の積み重ね方
    • - 野中広務氏との心の交流
    • - ワシントン赴任中に受けた日本へ対する賛辞
    • - 小さなユートピアであぐらをかかない
  • ●多様性に根差した「転がる石」であり続けるために
    • - 大人とは自分の時間を人の為に使うこと
    • - 「ですよね」と主語を使わない議論をやってみる
    • - 30日でやることを7日で、7日でやることを1日で
    • - 呼吸するように情報を取り続ける

受講者感想

平本さんが常に「邂逅」を大切にされていると仰っていたことが大変印象的です。恥ずかしながら、今日初めて「人との偶然の巡り合い」を意味する「邂逅」という言葉と出会いましたが、講演を伺う中で自分の社会人生活を振り返りつつ、これまで私自身が得てきた「邂逅」の素晴らしさ、尊さに感じ入ることができました。
「邂逅」という言葉に象徴されていたように、平本さんのお話はサラリーマン人生の中でご縁を持てた方々との交流と、そこから生まれた金言に溢れていました。講演は1時間半と短い時間でしたが、社会の大きなうねりと共に、ジャーナリスト、政治家、作家…と、多様な視点から人の世を読み解くことのできた、大変有意義な時間でした。