多様性理解勉強会 第17回「情報通信とノーマライゼーション」
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講師
株式会社プラスヴォイス 代表取締役社長
三浦宏之 様
プロフィール:
聴覚障がい者が直面する情報コミュニケーションバリアに着目し、1998年(平成10年)宮城県仙台市に有限会社プラスヴォイスを設立。以来、一貫してICTを活用した聴覚障がい者の情報通信バリアフリーに力を注ぐ。
茨城県東海村の臨界事故、新潟県中越地震などではICTを駆使した被災地の聴覚障がい者への情報提供支援活動を手がけ、
東日本大震災をきっかけとした日本財団電話リレーサービスの礎を築き、聴覚障がい者の通信インフラ普及に努める。
現在、厚生労働省、東京労働局、東京都、港区(東京)、荒川区、飯能市の行政機関や、航空会社ANA、三菱UFJ銀行等の大手企業に
遠隔手話通訳と音声文字変換システムを搭載したトータル支援システムや電話通訳サービスを提供。
長年の課題であった聴覚障がい者と職員との円滑なコミュニケーションを実現。聴覚障がい者の社会参加促進に寄与している。
また、プロカメラマンとして聴覚障がい者の就労支援にも力を入れ、聴覚障がい者の視覚的能力を活かしたカメラマンやクリエイターを育成し、
2020年東京オリンピック・パラリンピックでの聴覚障がい者の活躍の場を創造している。
テーマ
情報通信とノーマライゼーション
講演内容
ICT技術を活用した、聴覚障がい者のコミュニケーション・バリアフリー
- 聴覚障がい者の困りごと(聞こえない・話せない・電話ができない)
- 電話リレーサービス
- UDトーク・UD手書き
- スマートグラス(眼鏡型端末)による音声翻訳の見える化
- プラスヴォイス社提供の「トータル支援システム」
- 自治体・企業へのサービス導入事例
*本講演は、<聴覚障がい当事者>にもご参加いただきました。
情報保障としてUDトークを活用、講演者の発話を即時にモニター表示、
結果、<健聴者を含め多くの人にとってわかりやすい>講演となりました。
受講者感想
今回はじめて「電話リレーサービス」の存在を知りました。聴覚障がい者にとって「電話をする」ということは、かなりハードルがあることは予想がつきますが、「できない・向いていない」からといって、その不平等を見過ごしていたことを痛感しました。
また、聴覚障がいの方は、「会社で会議に参加しなくてもよいと言われる場合がある」、というお話に衝撃を受けました。「聴覚障がい者だから会議に呼ばず後で共有する」という方法は、周囲なりの「配慮」かもしれませんが、当事者の意思を尊重せず、無用な「差別」を助長しているように感じました。障壁や差別のない社会のために、今日ご紹介いただいたツールが、もっと浸透していけばいいなと思いました。