デジタルチラシの効果を最大限に引き出す!LINEチラシで集客を成功させる方法とは?

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▼語り手プロフィール
株式会社DNPコミュニケーションデザイン
第1CXデザイン本部
部長 今井 宏/Hiroshi Imai

「チラシ」とはその名の通り、大量に印刷され「配布する(散らす)もの」として、古くから宣伝に活用されてきた媒体です。時は流れて現在、チラシはデジタルの空間でも流通するようになっています。とりわけ、国内で9700万人以上のアクティブユーザー(※1)を持つコミュニケーションプラットフォーム・LINE上で展開される「LINEチラシ」は、紙のチラシにはまねできない広告パフォーマンスを発揮する場として、いま多くの企業から注目を集めています。デジタルチラシ、ならびに「LINEチラシ」だからこそできる顧客とのコミュニケーション、広告施策とは、一体どんなものなのでしょうか。デジタルチラシの魅力と可能性について、第1 CXデザイン本部の今井宏が語ります。

(※1)2024年3月時点。LINEヤフー株式会社 決算説明会「2023年度通期および第4四半期補足資料」より

1. 単純な紙のPDF化ではない、「デジタルチラシ」の活用メリット

まず、デジタルチラシとはどのようなメディアなのか、簡単に教えてください。

デジタルチラシとは、主に「LINEチラシ」「楽天チラシ」「Shufoo!」「トクバイ」といったデジタルチラシ用のプラットフォームで展開される広告媒体のことです。その中で私たちは各種デジタルチラシの最適化を目的として、スマホでの閲覧に最適化したデジタルチラシの制作及び運用に注力しています。

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デジタルチラシは、従来型の紙のチラシと比べどのような強みがあるのでしょうか?

新聞の購読者数の減少から、紙のチラシは顧客に届きにくくなっています。それに比べ、デジタルチラシはPCやスマホで閲覧できるプラットフォームを持っているので、紙のチラシにおいて手薄であった顧客とのコミュニケーションを強化し、優良顧客との関係を深めることができます。さらに紙のチラシと比較すると、デジタルチラシには大きく3つの強みがあります。

1つ目は「予算を最適化できること」です。紙から一部をデジタルにシフトしていくと、その分の印刷や配送などのコストの削減につながります。

2つ目は「販促の幅が広がること」です。デジタルチラシでは配信するエリアごとに細かく内容を変更したり、当日に内容を差し替えたりすることも可能です。チェーンの小売店などで、店舗ごとの「今日はこれを売り出したい」「雨の日だからスタンプ2倍というのを強調したい」といったタイムリーなニーズにも即座に応えられるのは、デジタルならではの利点です。こうした配信内容の柔軟性は、在庫欠品が起きた時や、災害時の対応でも、すぐに修正や配信の停止ができますからね。

そして3つ目は「アクセスデータによる施策の効果測定がしやすいこと」です。紙のチラシでは見えなかった顧客の動きや嗜好(しこう)がアクセスデータから可視化されます。チラシのデザインを変えた時の反応の違いなども明確に数値で確認できるので、細かく効果検証をしながら、より顧客に響く内容になるよう改善しやすいのも特徴です。

2. 生活者に近い「LINEチラシ」だからこそできるソリューションを

現在はLINEチラシメディアフォーマット(以下、LINEチラシ)向けのデジタルチラシの制作・運用に注力しているとのことですが、ほかのデジタルチラシのプラットフォームに比べてLINEチラシにはどのような特徴がありますか?

LINEプラットフォームを活用して拡大する顧客とのコミュニケーション

まず注目すべきは、圧倒的なユーザー数です。LINEチラシは、コミュニケーションプラットフォームLINEにおける国内9700万人以上のアクティブユーザーがサービス提供の対象となります。これだけのユーザーに、アプリのインストールや会員登録などの手間を取らせずに配信できるのは、大きなアドバンテージだと感じています。

そして、チラシの配信以外の機能が豊富なのも魅力ですね。LINE公式アカウントやLINEミニアプリと連携すればクーポンやポイントカードの役割を付帯させたりもできますし、API連携を活用することで外部ツールを用いた効果測定なども容易になります。またLINE Beaconを活用して店頭で反応した人にクーポンや情報をPush型で配信するなど、来店前のコミュニケーションや店内での顧客接点の構築も可能となります。

一般的に「配りっぱなし」という印象が強い紙のチラシですが、そういう意味ではLINEチラシはまったくの別物で、顧客との継続的なエンゲージメントの構築をめざせるプラットフォームになっています。

こうした特徴を持つLINEチラシは利用者にも好評で、LINE公式アカウントの友だち数も増加しており、離脱率の低いメディアとして成長しています。

LINEの機能を使った顧客とのコミュニケーションで囲い込み

クライアントからの依頼は、どのようなニーズから来ることが多いのでしょうか?

クライアントからよく聞くのは「紙のチラシの効果を感じにくくなってきたから」という声ですね。あとは、「社内でさまざまなDXが推進されている流れから、デジタルチラシを試してみたくなった」「生活者に近いLINEで配信できるところに興味を持った」というのも多いです。

そういったニーズに対して、DNPグループではどのようなソリューションを提供しているのですか?

私たちは、LINEチラシに商品情報・チラシ情報などを入稿するシステム「LINEチラシ メディアフォーマット用入稿ポータル」を独自に開発し、2019年より提供してきました。

現在は広告媒体としてクライアント企業にご提案するとともに、LINEチラシという媒体を活用し、効果的で効率の良い運用にするための配信計画策定とデジタルコンテンツ制作の実施を行っています。また、成果を可視化するための分析レポートの作成、その後のクリエイティブ改善の提案に至るまで、LINEチラシの制作・運用全般に関わるサポートに対応しています。

相談の始めは「取りあえず材料(チラシデータ)は渡すから、LINEチラシに配信だけしてほしい」といったオーダーから入ることが多いですが、こちらから「もっと効果を上げる方法を一緒に考えながら、施策を回して行きませんか?」とご提案し、最終的には運用やデータ分析もセットで提供するケースが多いですね。

3. チラシの来店コンバージョンまでわかる?デジタルの恩恵、データから見えるもの

LINEチラシでは、具体的にどのようなデータ分析・活用が可能なのでしょうか? 

例えば、配信したタイミングの閲覧データと実店舗のPOSデータを掛け合わせて、どのチラシでどれくらいの来店コンバージョンがあったのかを推測することができます。LINE Beaconや商圏分析ツールなどを活用すればより精緻な来店計測も可能です。

また、レポートとしてはエリアの人口統計を参照しながら顧客の獲得率を出したり、現状どういった顧客層へのリーチ率が高いのか、まだ開拓の余地のある顧客属性はどのようなものか、といった分析を載せたりしています。分析の内容については、クライアントのニーズ、設定したKPIなどに合わせて設定します。

データ活用でうまく効果が出た事例には、どのようなものが?

コピーやデザインのA/Bテストを実施すると効果が出やすいですね。チラシを最初に見た際に何を伝えたいのか。クーポンの色やデザイン、テキストはどういったものが刺さりやすいのか……といったことも、クリック率などで比較すると如実にわかります。

また、一定期間、同じフォーマットを配信し続けると、タップ率が下がってしまいます。反応の良かったフォーマットでも定期的に色やデザインを変えることで、顧客が「新しいものがきた」と思い、また見に来てくれるようになります。こうした小さな試行錯誤を続けていくと、チラシのPV数は右肩上がりになっていきます。

実際に運用を行っているクライアントの反応はいかがですか?

おかげさまで、クライアントからは良い評価をいただいています。当社は、これまで紙のチラシ制作を長年やってきているので、集客のためのチラシ制作に精通したディレクターがLINEチラシのクリエイティブ制作運用にも携わります。そのためこれまでのノウハウをデジタルチラシに適用させることができるのです。

さらにうれしいことに、スマホ画面に最適化したチラシデザインをクライアントの社内販促ツールの見本として活用いただけるケースもでてきました。一番長く運用をご支援させていただいているクライアントでは、PDCAを継続的に回していく日々の運用で、PV数(※2)やUU数(※3)を増やすためのノウハウも蓄積され、売り上げにも貢献できるようになりました。

(※2)PV数:ページビュー数。一定の期間内にWebページがどのくらい閲覧されたかを示す。
(※3)UU数:ユニークユーザー数。一定の期間内にWebサイトを訪れた人の数。

LINEの機能を使った具体的な用途例とDNPグループの支援内容

4. データとリアルの交点に、血の通うコミュニケーションデザインを

今後、制作・運用フロー上でアップデートしていきたいと思っていることがあれば、ぜひ教えてください。

現状でも力を入れているのですが、今後はより店舗ごとの施策の最適化に注力していきたいなと。チェーン展開している小売店は、店舗の名前は同じであれ、それぞれの地域の属性によって「今まさに売り出すべきもの」に違いがあります。企業側の論理ではなく、生活者側のニーズに寄り添って、各店舗それぞれが地域に適したマーケティングができるように、私たちがサポートできることはまだまだたくさんあるはずです。

最近は、担当するエリアの店舗に足を運んで、その街全体や店舗の雰囲気を肌で感じることも大切にしています。「この辺りはタワーマンションが多くあるから、そこの住人が店舗をよく利用しているんだろうな」とか、「街全体としてはにぎやかだけど、この店舗の周りだけは意外と閑静なんだな」とか、「近隣の競合店舗ではこんな取組みをしている」など、やっぱり実際に見てみないとわからないことも多いんですよね。

デジタルで有用なデータは取れますが、「どのデータに重みづけをしていくか」には人の目利きが必要です。そこに現地で受け取った情報が、きっと生きてくるはずだと思います。データとリアルの情報をミックスさせながら、クライアントの課題解決の糸口をうまく探っていきたいですね。

最後に、今どのような課題を抱えているクライアントに相談に来てほしいと感じていますか?

デジタルチラシに少しでも興味を持っているのであれば、規模の大小にかかわらず、ぜひお話したいなと。そして「取りあえず、まずは試しにやってみましょうよ」とお伝えしたいです。小さく始められるのも、デジタルの強みですから。膝を突き合わせて、「ああでもない、こうでもない」と一緒に悩みながら、企業も地域の人たちもともに笑顔になれるような提案ができればと思っています。

  • 2024年9月時点の情報です。

LINEチラシの情報は以下のWebページでも公開していますので、ぜひご覧ください。

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