多様性理解勉強会 第30回「わかりやすく伝える工夫 — 性教育を例に」

「おうち性教育はじめます 一番やさしい!防犯・SEX・命の伝え方」
著者:フクチマミ・村瀬幸浩
出版社:KADOKAWA

講師

漫画家、イラストレーター
フクチマミ様

日常の中で感じた「困った」や「知りたい」こと「わかりにくい」ことを専門に取材してわかりやすい漫画にしている。著書「おうち性教育はじめます」シリーズなど多数の書籍を発行している。

フクチマミ様
実感が持てない・ピンとこない内容には「実感を持たせる」ことでわかりやすく
※「こどもせいきょういくはじめます」より
著者:フクチマミ・村瀬幸浩・北山ひと美
出版社:KADOKAWA

テーマ

『わかりやすく伝える』ってどういうこと? ―性教育を例に考える―

講演内容

●「わかりやすい」とは何か/「わかりやすい」が活きるシチュエーション/「わかりやすい」のメリット/「悪い」わかりやすさ・「良い」わかりやすさ
●「わかりにくい」とは何か/「わかりにくい」の特徴
●「わかりやすい」の基本/実践するときのポイント

受講者感想

  • わかりやすさについては勉強していたつもりでしたが、ビジネス書や社内外の研修などはビジネスのフォーマットになっていて、専門用語も多く、ビジネスマン同士のわかりやすさになっていることに気づきました。「おうち性教育はじめます」の事例を通じて、相手がどんな立場でもわかりやすく伝えるためのヒントをたくさん知ることができました。
  • 「悪いわかりやすさ」と「良いわかりやすさ」があるお話が興味深かったです。
  • 「わかりにくい」ことを「わかりやすく」工夫するというのは、私たちもよく視覚的な表現でチャレンジしていました。ですがお話を聞いて「伝えにくいこと」がそもそも「わかりにくいこと」の発生原因になるのだなと理解できました。その伝えにくい(言いづらい)ことを手間をかけて丁寧にひも解くことが大事なんですね。
  • 子どもも見るようなアニメや漫画での何気ない描写(スカートめくりや入浴シーン)にも、性的な暴力性をはらんでいることに気づいていませんでした。大人がその描写の良い/悪いを評価して助言するのはとっさには難しいかもしれませんが、子どもがそのシーンに抱いている不快感を受け止めることも大切だとわかりました。

当日の様子(編集後記)

子どもへの性教育に絡めながら、DNPグループ社員であれば興味があるであろう「わかりやすさ」をキーワードにした内容であったことから、視聴者約100名と、過去最多の社員に参加いただきました。オンライン講演でしたが、受講者のチャットへの発言も多く、講演後の質疑も活発で、盛り上がりのある勉強会になったと感じました。

また、勉強会後にDCD総務部所属社員より資料を部内で共有させてほしいとの申し出があり、参加者の満足度も高かったのではないかと思います。今回の勉強会は、多様性理解だけでなく業務にも密接に関わる講演内容だったと思います。

もちろん「わかりやすさ」だけでなく、性教育の視点でも発見が多く、小学生の子を持つ社員からの「子ども向けアニメでスカートめくりのシーンになると息子が顔を手で覆うがどう接すればいいか」という質問に対して、「そのとき子どもが抱いた不快感を受け止めながら、並行してまっとうな性の知識に触れ合わせる必要がある」とのお話は小学生くらいの子どもを持つ社員への気づきになったのではと思いました。



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