クライアントに寄り添い、ともに成果を追う ─ Webプロモーションだから大切にするリアルな「対話」

Webプロモーション戦略コンサルタントの三徳庸昭
▼語り手プロフィール
株式会社DNPコミュニケーションデザイン
関西第1CXデザイン本部
三徳 庸昭/Nobuaki Santoku

DNPコミュニケーションデザイン(以下、DCD)では、企画・制作における、多くのコミュニケーションのプロが活躍しています。そうしたプロフェッショナルたちにスポットライトを当てる企画、題して「D-Professional」。今回は、Webプロモーションコンサルタントとして幅広いクライアントに寄り添う三徳庸昭です。

【D-Professional】への7つの質問

1. 名前と社歴

印刷からデジタルの道へ ─ 黎明(れいめい)期のWebプロモーションとともに重ねる経験と成長

三徳庸昭です。デザインやプログラムを学ぶ学校を卒業した後、大阪の印刷会社に入社しました。そこでは営業やディレクター業務を担当していました。

20年ほど前、印刷の仕事に加えてホームページ制作の案件が増えていく時流を肌で感じ、20代半ばでインターネット広告の会社に転職し、本格的にWebプロモーション業界に足を踏み入れました。

その後、大手広告代理店グループのデジタル部門に10年在籍し、Web広告やWebコンテンツの提案や運用に携わってきました。2024年の11月にDCDに入社し、現在は企業へのWebプロモーションの企画提案や運用サポートなどを担っています。

2. 手掛けている業務

ゴール設定からプランニング、運用まで ─ クライアントの成果を最大化する一気通貫の支援

私が担当しているのは、新規案件を中心としたWeb広告のプランニングから運用までの一連の業務です。

クライアントから新商品のプロモーションについて相談を受けたら、まず「何を目的とするのか」「ゴールをどこに設定するのか」をしっかりヒアリングします。

商品を認知させたいのか、購入につなげたいのか、資料請求を促したいのか、問合わせを増やしたいのか──プロモーションの目的によって設定するべきKPIが大きく変わるからです。限られたコストで最大の成果を出すためにも、動き出す前にゴールを明確にすることは欠かせません。

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Web広告のプランを立てる際には、媒体選定も重要になります。Google、Meta、LINEヤフーなど、さまざまなメディアがありますが、効果を上げるためにはリスクを抑えながら最適なメディアを選定してクリエイティブ・配信の設計をする必要があります。こうしたプランニングから提案を経てクライアントに承認をいただき、広告運用パートナーと連携しながら広告の運用を進めていきます。

ほかの広告と比べて、Web広告の特徴は「成果が明確に可視化されること」です。商品の購入数や資料請求数といった成果が数字ではっきり見えるからこそ、PDCAを回しやすいといった特徴があります。見るべきデータを参照しながら、広告からランディングページ、そしてコンバージョンに至るまでの導線を改善していくことで、堅実にクライアントの課題解決に貢献していけます。

だからこそ私は、Web広告単体だけではなく、サイト全体の改善も含めて提案するケースが多くあります。たとえば、広告のクリエイティブがどんなに優れていても、LPから飛んだ先の購入フォームが使いにくかったり、サイト本体の導線に問題があったりすると、なかなかコンバージョン率が上がりません。そんな「穴の空いたバケツ」状態にならないように、DCD内の制作チームと連携しながら、Web広告だけにとどまらないプロモーション全体の提案ができるように意識しています。

3. あなたの強みは?

専門家である前に「相談しやすい存在」であること ─ 寄り添う姿勢が生む信頼関係

私の強みは、クライアントにとって「相談しやすい存在」であることだと思っています。Web広告の運用担当者って、冷たい印象を持たれがちなんです。Web広告の説明には専門用語が多く出てくるし、「わからないならプロである私たちに任せて」といった感じで、クライアントを少し置き去りにしてしまうことも少なくありません。

私はなるべくクライアントに寄り添って、悩みや相談をしっかり聞き、一緒に課題をクリアしていきたいと考えています。相手の目線に合わせて、Web広告にそこまで詳しくない方には丁寧にわかりやすいレクチャーを心がけ、詳しい方には細かい仕様や運用のテクニカルなポイントなども納得いただけるように解説します。

クライアントが持つ課題解決の方法は、必ずしもWeb広告だけではありませんし、「お金をかければいい」というものでもありません。課題の本質を見極め、相手の予算に合わせて柔軟に提案を調整しますし、場合によってはWeb広告ではないオフラインの施策を提案したりもしますね。

たとえば、とある学習塾の運営企業から「認知を広げるためにWeb広告を出したい」という相談をいただいた際には、いろいろとヒアリングをした結果、「最も想定ターゲットへの訴求力が高そうな交通広告を出したらどうでしょうか?」と提案したこともありました。常に「Web広告ありき」ではなく、相手のニーズに最適化したソリューションの提案を心がけています。

4. 譲れないこだわりは?

アップデートの激しい業界だからこそ「すぐ動かず、冷静に見極める」姿勢

私がモットーにしているのは「インプットなくしてアウトプットなし」という言葉です。ネットでの情報収集や書籍だけでなく、セミナーやカンファレンスなどオフラインの場にも積極的に参加して、広く情報や知識を得るように心がけています。そこで得た情報を社内やクライアントに発信・共有することも大事にしているところです。

とりわけWeb広告のトレンドのキャッチアップは、日々欠かさずに取り組んでいます。この業界は、とにかくアップデートが激しい。事前連絡がなく突然メディアの仕様が変わることも珍しくありません。

そういったWeb広告運用に関わる重要な情報をいち早く把握した上で、「すぐに飛びつかず、騒がないこと」を大事にしています。たとえばメディアから新しい機能やメニューがリリースされても、焦らず冷静に分析して「真に対応するべきタイミング」を見極めるようにしています。

また、昨今では業界全体で「AIによる広告運用の全自動化」が推し進められているのですが、そんな中でも私は「人の手を介在させること」を大事にしています。全自動化だとターゲティングもメディア側に任せることになりますが、たとえば子ども向け商材をファミリー層に届けたい場合など、直接的な商品のユーザーと購入の意思決定者が異なるケースでは、細かいセグメント設定を人の手で調整したほうが効果が出る場合もあります。

AIによる自動化はたしかに便利ですが、それをすべて任せっきりにすると結果が出なかったときに原因がわかりにくくなることもあります。私もAIでの自動運用は活用していますがケース・バイ・ケースで使い分けていくスタンスは必要だと思っています。

AIによる広告運用自動化の例/クリエイティブ検証方法の変化

5. この仕事の醍醐味  (だいごみ)は?

数字で見える成果と、「次もお願いしたい」という言葉が何よりの喜び

KPIとして設けていた数字を達成できたときに、クライアントから「次もお願いしたい」と言っていただけること。これに尽きます。

先ほどもお話しした通り、Web広告は結果が数字ではっきりと現れます。シビアな世界ではありますが、成果が上がれば直接的にクライアントの課題解決に寄与できるので、やりがいも大きいですね。

6. 今後挑戦していきたいことは?

リアルとデジタルの境界線を超えて ─ トータルなプロモーション提案をめざす

今後挑戦していきたいのは、リアルとデジタルの融合です。「Web広告を見た人が実店舗に行く」というような動線をつくって、その成果をもっと可視化できるような仕組みを考えていきたいと思っています。

実は最近、Web広告とリアルの境界線はどんどんなくなってきています。たとえば、タクシーアド(広告)にWeb広告から配信できるようになっていたり、店舗や街頭に置いてあるサイネージも通行する人に合わせてコンテンツを出し分けたりすることが可能になっているんです。 

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また、個人的に注目しているのは、ドローンを使ったプロモーション。大阪・関西万博でも、ドローンで二次元バーコードを表示して、そこからWebサイトに送客するような手法が用いられていました。話題性や拡散力があって、広告として大きな可能性を感じます。こうした最新の事例もキャッチアップしつつ、技術の進化をうまく活かし、リアルとデジタルを横断して効果的なプロモーションを提案していきたいですね。

7. あなたにとってのプロジェクト成功とは?

みんなで意識を合わせて取り組み、次につなげること ─ それが真の成功

関わっているメンバー全員が意識を合わせて課題に取り組み、どんな結果になっても次に活かしていける状態をつくれたら、そのプロジェクトは成功かなと思います。

Webプロモーションでは広告運用とクリエイティブ制作が分業になるケースが多く、そこで目線が合わないことが往々にしてあるんです。両者の課題に対する意識を合わせて取り組めれば、コミュニケーションが円滑になり、成果も上がりやすくなります。

そういった体制づくりの一環として、社内外でインターネット広告市場やWeb広告の勉強会も開いています。Webプロモーションに携わるメンバー全員が、一般教養としてWeb広告の基礎を押さえることで、意識が合いやすくなるのです。

知識があれば、営業は案件を俯瞰的に見てより広い提案が考えられるし、制作はより戦略の意図を捉えたクリエイティブをつくれるようになります。何より、仕組みを知ることで、Web広告をもっと「自分ごと」にして仕事に取り組めるようになって、より手応えを感じられるはずです。そして、こうした勉強会にクライアントも巻き込んでいくと、先方の社内でも施策に対する理解を得られやすくなる実感があります。

クライアント向けに勉強会を実施した際の資料の一部

Web広告は、新商品や認知が低い商材・サービスなどでは効果が出るまでに時間がかかることも多く、すぐにクライアントの期待に応えられないケースも少なくありません。ただ、施策の成果が出ないときにそれを正直に開示して、プロジェクトに関わる全員で一緒に解決策を考えていくことが、何よりも重要なんです。そういった真摯(しんし)なコミュニケーションを重ねていくことでクライアントとの信頼関係が生まれ、息の長い案件へとつながっていく。それが、私の考えるプロジェクト成功の本質です。

  • 注釈2026年3月時点の情報です。

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