コラム

DCDの多言語チームリーダーにインタビュー!
世界の言葉の壁を越えて「伝わるクリエイティブ」をつくる!DCDの多言語対応サービスの強みとは?

DNPコミュニケーションデザイン(以下、DCD)の多言語チームは「グローバルコミュニケーションの活性化を支援する」をミッションに掲げ、お客さまのコーポレートコミュニケーションを多言語対応で支援する専門チームです。これまで形を変えながらも、約30年にわたり国内外の企業の活動を支えてきました。
取り扱っている言語数は、170言語。例えば複数言語対応の販促コンテンツを制作したいという場合、DCDへの依頼だけですべて完結できます。これまで最大で35言語に同時展開した実績を有しています。単に翻訳だけにとどまらないDNPコミュニケーションデザインの多言語企画制作のプロフェッショナルチームをご紹介します。

▼語り手プロフィール
株式会社DNPコミュニケーションデザイン
コンテンツDX本部
課長 林 将広/Masahiro Hayashi

1.あらゆるジャンルに特化した30社以上のパートナー企業との連携

— どのような体制で翻訳しているのか教えてください。

DCDの多言語チームでは、長年にわたり築いてきたパートナー企業とのネットワークを有しています。そのため、会社案内や統合報告書が得意な翻訳者を選ぶことも、観光や自動車、製薬、金融など、該当する業界に精通した翻訳者を選ぶことも可能です。

また、翻訳を行うのは、必ず対象言語のネイティブスタッフ。これは信頼できる複数のパートナー企業がいるからこそ実現できる体制だと思っています。ネイティブスタッフの翻訳にこだわることで、言い回しの自然さを保ち、各国の文化的背景などを踏まえた「伝わる翻訳」を実現してきました。

— 例えば、英語や中国語以外のニッチな言語については、どのような対応になるのでしょうか?

2010年代に入り、アジア言語の翻訳者が増えたため、直接翻訳が可能になりました。最近では、タイ語やベトナム語などの他のアジア言語やフランス語、ドイツ語などの欧州言語にも対応しています。ただし、英語に比べて他の言語の翻訳者は少ないため、品質管理の観点からも英語を介しての翻訳が多いです。また、字形や組版が特殊な言語(タイ語、ヒンディー語、ミャンマー語、アラビア語、ペルシャ語など)を扱う際には、翻訳業務に加え、フォントや文字化け、改行位置などの言語知識がとても重要です。そのため、当社では、言語知識を持った専門スタッフによる徹底した品質管理を行っています。

2.三位一体の管理体制で、より正確に伝わる翻訳を実現

— 品質向上に向けてどのような管理体制で行っているのでしょうか?

「ネイティブ翻訳者」のほかに、訳文を確認する「チェッカー」と進行管理を行う「コーディネーター」を加えた3人1組のチームで翻訳作業を進め、品質管理を行っています。メンバーには該当言語に精通しているスタッフを揃え、互いに助け合える状態を確保。誤訳の判別はもちろん、用語統一や訳文の抜け漏れなど、人為的ミスを徹底して防ぐようにしています。

— チェックを行うのは日本人だけですか?

日本人が担当することが多いです。例えば、神社・仏閣などの日本文化を発信するコンテンツを日英翻訳する場合は、日本人チェッカーを起用します。なぜなら、文化的背景を理解しているメンバーを入れることで、ネイティブ翻訳者が理解しきれなかった文脈や表現をカバーできるから。翻訳者一人だけでは拾いきれないようなことも補強しながら、品質向上に努めています。

3.実制作に精通する翻訳ディレクターが、企画・編集・デザインをサポート

— 次に、DCDの多言語チームのディレクターにも強みがあるとのことですが、詳しく伺えますでしょうか?

翻訳ディレクターが実制作にも精通しているので、私たちにお任せいただければ、翻訳だけでなく制作物としてのクオリティも担保できます。例えば、多言語展開で気を付けるべきポイントの一つに文字数の調整があります。同じ意味を表す文章でも、言語によってその長さはバラバラ。翻訳ディレクターが指示して、対象となるすべての言語が綺麗におさまるレイアウトデザインを用意することも可能なんです。

— 言葉だけではなく、デザインにも配慮しているんですね。

その通りです。ブランディングや広告、販促などのクリエイティブ制作において、デザインの品質はブランドイメージや売り上げに影響を及ぼします。多言語への展開後、レイアウトが崩れてしまうと、期待していたマーケティング効果を発揮できない恐れもあるでしょう。私たちにはDNPグループとして共有・蓄積してきた豊富なスキルやノウハウがあります。さらに、DNPグループ企業と連携することで、Webサイト構築やカタログ制作の進捗(しんちょく)状況を見ながら翻訳作業を進めることも可能です。それはつまり、「制作のプロ」と「翻訳のプロ」が同じ空間で一緒に仕事を進めているようなもの。シームレスな連携がとれる環境や仕組みがあるのは、他にはない私たちの強みだと思いますね。

4.文化的・宗教的な炎上対策にネイティブによるネガティブチェック

— 商品やサービスを海外展開する際の注意点はありますか?

ブランドや商品、サービスを海外に向けて発信する際には、「ネガティブチェック」を入れることをおすすめします。ネガティブチェックとは、ブランド名などのネーミングが、外国語ネイティブの目線でネガティブな印象を与えないか、意図しない意味を与えないかを調査するもの。言葉のニュアンスや音の響きはもちろん、文化的・宗教的な問題など日本人では気づけないリスクを洗い出すことで、海外展開時のリスクを回避できます。
日本で馴染みのあるブランド名やアニメ作品が海外では全く異なった名称で展開されていることがありますが、実はネガティブチェックによって海外展開時に変更されているケースも少なくありません。

5.番外編 : 機械翻訳って使える?使えない?

生成AIや機械翻訳の技術向上により、近年、それらを利用したサービスも増えてきました。私たちも機械翻訳の活用は既に始めていますが、その精度は翻訳者と比べると劣ってしまう場合がほとんど……。ただ、工数や納期、コストを削減できるというメリットは魅力的ですよね。用語指定や各種設定を上手に調整することで精度を上げられるため、正確さよりもスピードを重視するプロジェクトであれば、積極的に活用するのも一つの手でしょう。
私たちは機械翻訳を活用したサービスやソリューションの開発にも力を入れていますので、「納期を短縮できないか」「コストを削減できないか」と悩まれていたら、ぜひお問合わせください。

※2024年2月時点の情報です。

「多言語・多文化対応ソリューション」の情報は、以下のWebページでも公開していますので、ぜひご覧ください。

こんな課題のある方にオススメです。

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